NY同時多発テロから5年

木曜日, 11月 2nd, 2006

55時間一睡もせずに働いた経験が一度だけある。
5年前のNY同時多発テロの取材レポートだった。
日中に取材リポート、夕方からその日の情報を集めてまとめ、夜中に中継リポートというハードスケジュールだった。

瓦礫と化したワールドトレードセンターの跡地グランドゼロでは、多くの消防士、警察官、ボランティアによる不眠不休の復旧作業が行われまた関係車両の通る道路脇には、星条旗やプラカードを持って、そうした人々をヒーローとしてたたえる一般市民の姿があった。まさに心が一つになっているという感じを受けた。

あれからちょうど5年。
一つになった心に亀裂が入ってきている。テロの2次災害が露呈してきたのである。
WTC倒壊によって、グランドゼロにはダイオキシンやPCBアスベストなど様々な有毒な物質を含む100万トンもの大量の灰が降り注ぎ、その中で作業していた多くの消防士やボランティアの人たちがその粉塵を吸い込み、その70%に人に呼吸器疾患が現れてきたという報告がでている。そうした有害物質は、一旦肺に入ったら取り除くことができず肺機能が低下していくという。この事実を必死に訴える人たち。
かつてヒーローと呼ばれた人も、“仮病”扱いさえされることもあった。
5年目の追悼式典のためにNYを訪れたブッシュ夫妻の周辺では追悼とともに、補償を求める何千人ものニューヨーカーの抗議の声が聞かれた。